英語を使える事は特殊技術です

今回のタイトルのような事を言えば、たくさんの反論が返ってくるだろう。
「英語はただの道具だ!」「英語はただのコミュニケーション手段だ!」など。

現実のところ中学、高校と6年間、現在であれば小学校から英語を学んでいるのに、
全く英語が話せるようになっていない。
東京のどの駅にも英会話スクールがあるにもかかわらず、である。

英語を学び、モノにするためには、3つの要素が必要であると私は考える。
これは第二言語を習得する要素と思って頂いて構わない。

まず一つ目の要素は本人の能力。
残念ながら、言語を習得するためにはそれ相当のボキャブラリー(単語)を覚える必要がある。
基礎学力がなければ、それらを覚える事が困難であり、さらに文法などを理解する力もなければ、
言語習得は無理であると言ってよい。
加えて、ある程度継続して勉強できる集中力と努力ができる事。
英語習得には2000~2500時間かかるのであれば、
それを毎日コツコツこなしていかなければいけない。
30分机に座って学習する事が困難の子には難しいだろう。
但し、私も中学生ぐらいまでは勉強するのが苦痛でしょうがなかったので、
これについては年齢が解決してくれるかもしれない。

2つ目の要素はその子の親。
わが子を英語ができるようになってほしいと思っているか?

なんとなく、英語塾や英会話スクールに通わせているケースがあるが、
しっかりと成長過程を監視する必要がある。それをせず、放置しているのであれば問題である。
そしてもう一つ、むしろこちらの方が重要なのだが、英語を習わせてやるだけの経済力があるか。
英語ができるようになるには、それ相当のお金がかかる。
ウチの生徒で小3~中3の間で、英検5級から準1級合格までにかかった費用は約180万円である。
この金額は2015年に入会してくれた子のレッスン料をベースにしたものであり、
2022年から始めた子で同じレッスンを受けるのであれば、約230万円必要になる計算である。
果たしてこの金額が高いと思うか、安いと思うかである。
価値観は人それぞれだが、中学卒業までにこれだけの能力がつくなら、私は安いと考える。
その理由は、
1年間アメリカに留学すると、だいたい300万円程度必要であるが、留学する学生の8割は
英検準1程度の英語力を持たずして、日本を経つからである。

月並みの月謝=並みのレッスンと考えるのであれば、
並みのレッスンだけを受けているのであれば、
高いレベルに達する事はできないと私は思う。

最後の要素は学習環境。
本人にやる気と能力があり、親も経済的にサポートできる環境があったとしても、
学習の場がダメダメであれば問題である。
そこいる先生が、英語をしっかり学ばせて使える様になってもらおうと
生徒をしっかり指導できるかが重要である。
これに関しては、何度も別で書いているが、結果が出ているかをみて判断すれば良い。

長々と書いてしまったが、
言語を習得するにはそれなりの苦労と努力、お金が必要であると言う事である。
今回上げた要素の一つでも欠けると英語ができるようにはならないであろう。
ある程度学力のある人が、コツコツがんばって、それに対してお金を投資して、
さらにある程度優秀な指導者が頑張って指導した結果が『英語ができるようになる』である。
したがって、英語を習得する事は特殊技術を身につける事と言って良いと私は結論づける。

2022年08月14日